【クロスホテル札幌】アートイベント2025レポート客室がギャラリーに!

ベッドの上に置かれた絵画3点 商業施設

クロスホテル札幌で開催された PLUS ART FAIR 2025。

2013年から開催され、今回で10回となるアートイベントです。

個展でもなく展覧会でもなく、アートマーケットでもないホテルでの展示は日常のなかの非日常空間でした!

PLUS ART FAIR 2025について

クロスホテルの12階、1フロアが開放されアート空間になるイベント。

一つの客室に一人のアーティストが在廊し、それぞれが展示販売するギャラリーブースになっています。

全部で3日間のうち、場所がホテルということで、ロビーでDJイベントやダンスパフォーマンスなども開催されました。

全部で9名のアーティストが参加しましたが、特に印象的だった3名の作品をご紹介します!

misc.(ミスク)

カラフルな漂着物のペイントや、軽やかでリズムを感じる鮮やかな色彩が印象的なmisc.(ミスク)。

作品からは、民族的な雰囲気と温かみが感じられます。

銭函の山に居を構え、海と山、二つの自然からインスピレーションを得ているそう。

薪ストーブを使用することから着想を得たという木をモチーフとしたカーテン。

風に揺らぐような独特のデザインは、穏やかで平和な雰囲気を醸し出しています。

不思議な作品が並ぶ中で特に面白かったのが、木彫りの生き物。

元々の木彫りの熊をさらに彫刻を施して制作された、白くなって強くなったクマ。

首長竜になったのか、変身している途中なのか、牙を失い500円で売られていたというタイのゾウ。

誰にも見向きもされなかったものたちが、misc.の手によって新しい生き物に生まれ変わっていました。

どんなことがあったって、その気があれば何度でもやり直せるよ!…と励ましてくれてるような作品たちです。

Mari Saito 斉藤麻理

木をキャンバスにしたマットな風合いが魅力的な動物たち。

くすみカラーの色遣いや配色がとてもきれいなので、単品で飾ってもかわいいし、複数の作品を気分や季節によって組み替えても面白くなりそう。

マスキングテープを使いローラーで作成する部分と、筆で描く細部に分けて制作するそうですが、色や形が様々でまるで本当の動物園に来たように観ていて楽しい作品たちでした。

個人的には、昆虫や爬虫類なんかのバリエーションを今後期待したくなりました。

斉藤麻理 公式Instagram

Kana Kuwasako 桑迫伽奈


遠目には写真のように見えたその作品。

しかし、近づいてみると、何かが違う。

よく見るとそれは写真に細い糸でコラージュ、刺繍を施した作品でした。

儚い光のきらめきを捉えた繊細な表現は、見る者の心を深く惹きつけます。

紙と糸を組み合わせた作品は、一度糸を通すとやり直しがきかないため、表と裏を交互に確認しながら一針一針制作されているそう。

写真の裏側から見ると、糸の軌跡が美しい別の作品になる面白さ、不思議さ。

そこに「物事の表裏」という言葉が浮かびます。

表から見る作品の美しさだけではなく、反対側から見ても別の美しさを放つ作品たち。

裏側の世界には別の美しさがあるなんて、とっても素敵。

緻密な作業があってこそ成立する世界が広がっています。

桑迫さんは写真を撮影した際に「カメラの使い方が違う」と言われることもあるそうですが、「何が正解なのか、正しいと言われていたことも時間が経つと変わることがある。経験を表現したいのではなく、その時感じたことを表現するのに、一番最適な表現をする道具としてカメラを使い、糸を使っている」と語ります。

表と裏を返しながらの地道な制作は時に苦しいけれど、完成した時の爽快感が楽しいとのこと。

繊細に輝く糸は、木漏れ日を見たときの、あの研ぎ澄まされた目に刺さるような光の感覚を呼び覚ましてくれるようでした。

会期&時間

【会期】

2025年2月28日(金)~

2025年3月2日(日)

【時間】

2月28日(金)    

13:00~19:00(最終入場18:30)


3月1日(土)、2日(日) 

11:00~18:00(最終入場17:30)

入場料

 入場無料 

 ※2Fフロントにて要受付

アクセス&駐車場情報

【場所】クロスホテル札幌

〒060-0002

札幌市中央区北2条西2丁目23

℡:011‐272‐0010

ホテル駐車場は利用不可

※近隣駐車場を利用してください。

まとめ

クロスホテル札幌でのアートイベント、PLUS ART FAIR 2025。

様々なジャンルやスタイルのアーティスト9人が、それぞれの個性的な作品でホテルの一室をギャラリーに変えた特別な3日間。

制作者と購入者の距離感が近く、制作の裏話や作品に対する思いを直接知ることができる貴重な機会となりました。

各部屋を訪れるたびにいろんな世界が広がっていて、小さな村に遊びに行ったようなそんな気持ちになりました!

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